「就労準備性が整っていないから働けない」のか、「働いていないから就労準備性が整わない」のか。
障がい者雇用の現場、特に精神障がいや発達障がいのある方の採用選考において、必ずと言っていいほど話題に上るのが「就労準備性」という言葉です。
- 生活リズムが安定しているか
- 自分の症状や障がい特性を理解しているか
- ストレス対処法(コーピング)を持っているか
企業の採用面接でも、これらが整っているかが不採用・採用の大きな判断基準になります。
しかし、現場で多くの当事者や企業様と向き合う中で、私はひとつの疑問に行き着きます。
「就労準備性が整っていないから、働けないのか?」
それとも、
「働いていない(働く環境や社会的役割がない)から、就労準備性が整わないのか?」
鶏が先か、卵が先かのようなこの問いですが、メタ認知(自分自身の思考や行動を客観的に認識する力)が高い当事者であれば、「今の自分には何が足りなくて、どう環境を整えれば働くことができるか」を自答することができます。
しかし、多くの選考現場でミスマッチの原因となっているのは、障がいそのものではなく「(メタ)認知の歪み」なのです。
「障がい」と「(メタ)認知」を分けて評価できていますか?
競争雇用(一般企業での雇用)の場面において、採用がうまく機能しない、あるいは採用後に早期離職や現場の疲弊が生じる大きな要因は、「障がい」と「(メタ)認知」が混同されて評価されていることにあります。
- 「障がい」の評価:疾患や特性、それに伴う機能障がいや苦手な作業(例:音刺激に弱い、複数を同時に処理するのが苦手など)
- 「(メタ)認知」の評価:自身の状態や失敗に対して「自分がどう受け止めているか」「客観的に現状を把握できているか」という思考のクセや自己観察力
両者は強く相関していますが、「障がい=認知の歪み」ではありません。
例えば、パニック障害の特性(障がい)があったとしても、「自分はこういう場面で不安が高まるから、事前に5分休憩をもらえれば対処できる」と客観視(メタ認知)できている方は、企業側も配慮の設計が容易であり、職場での戦力化がスムーズに進みます。
一方で、「自分は配慮されるべきだ」「失敗したのは周囲の教え方が悪いからだ」といった認知の歪みが強く、自身の課題を客観視できていない場合、どれだけ生活リズム(就労準備性)が整っていたとしても、入社後に人間関係や業務指示の場面でミスマッチを起こしてしまいます。
つまり、今後の障がい者雇用における選考では、「障がいそのもの」と同等かそれ以上に、「(メタ)認知のアセスメント」が極めて重要な選考点になるのです。
企業に求められる「分離評価」のアセスメント力
法改正に伴う法定雇用率の引き上げ(2.7%への引き上げや対象企業の拡大)により、従来の「農園型・代行サービスによる形だけの雇用」ではなく、「自社の現場で実際に雇用し、定着・戦力化させること」が求められる時代になっています。
しかし、企業側の面接官や人事担当者が「精神障がいの特性」と「認知の歪み」を正しく見極めることは、容易ではありません。
- 面接時の発言が「障がい特性によるもの」なのか「メタ認知の低さ(自己理解の不足)によるもの」なのか?
- 「就労準備性が不足している」と切り捨てるのではなく、実務を通じて「メタ認知を高めていける芽」があるのか?
これらを正しく「分離して評価」できないまま採用判断をしてしまうと、面接で言葉が滑らかな「一見すると準備性が高そうな人」を採用し、入社後に認知の歪みから現場が疲弊する…といった不幸なミスマッチが繰り返されてしまいます。
RATE+が提供する「本質的なアセスメントと定着支援」
私たち RATE+(レートプラス) は、単に雇用率の数字を合わせるための雇用代行ではありません。
公認心理師、サービス管理責任者、特別支援学校教諭、障害者職業生活相談員としての20年以上の現場経験に基づき、当事者の「障がい特性」と「(メタ)認知のプロセス」を精密にアセスメントするノウハウを持っています。
- 選考段階でのアセスメント支援応募者の自己理解度やメタ認知の状態を多角的に評価し、「適切な配慮によって戦力化できる人材か」を見極めます。
- 入社後の認知改善と定着フォロー当事者が自身の課題に客観的に気づき(メタ認知の向上)、企業側も過度な負担を感じずにポジティブな合理的配慮を提供できるよう、双方に寄り添ったカウンセリングと伴走支援を行います。
「採用してもすぐに辞めてしまう」
「現場の担当者が精神面の対応に疲弊している」
「自社で本当に戦力化できる障がい者雇用を実現したい」
そうお考えの企業様・人事担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。
法定雇用率の達成にとどまらない、貴社にとっても働く当事者にとっても実りある「本当の障がい者雇用」を、私たちが一貫してサポートいたします。


